2012年8月10日金曜日

【 滞在記22 】 【 2011.12. 6 ~ 12.18 】 


     ● 洪水その後…


       2011年のモンスーン期にタイで起こった洪水は、チャオ
       プラヤー川流域で甚大な被害を出し、多くの箇所で洪水
       が発生した。

       2011年11月5日の時点で446人が死亡、230万人が影響
       を受けたと見られているが、被害総額は1,567億バーツ
       (4,000億円弱)と想定されている。

       600万ヘクタール以上が浸水し、30万ヘクタールは農地
       であった。北部のチエンマイ県から、チャオプラヤー川
       流域の支流に存在する中部のバンコクまで、58の県に浸
       水が及んだ。

       この洪水は「流出した水量と影響を受けた人数に関して
       最悪の洪水」であると言われている。
       世界銀行の推計では、自然災害による経済損失額の大き
       さでは、東日本大震災、阪神大震災、ハリケーン・カト
       リーナに次ぐ史上4位である。(2011年現在)
                     (WIKIPEDIAより抜粋)


       2011年年末、バンコクの空港に展示してある絵に目が
       とまった。色がなんてきれいなんだろう!
       写真をとってからよく見ると、テーマが【 洪水 】
       の絵画展示だった。








     
       熱帯地域で暮らすと、自然と共生するという考え方や捉
       え方が誰に教えられることなく育つのだろうか、それと
       もそうでなければ生き抜くことが難しいからなのか。
       
       起きてくることに柔軟でいられるかどうかは、大きな鍵
       になるかもしれません。

       この絵に見られるものは、子供だけでなくタイの人々の
       中にも垣間見る性質のようにも思います。






     ● 贈り物



       今年15歳になるジアップは、セカンドプロジェクトの
       学校に通う女の子。

       小さい頃から学校の休みになると寺の重症病棟にいる母
       と同じベッドで寝起きしていた。
       寝たきりの母の体を拭き、ご飯をたべさせ、寄り添って
       過ごす。

       母のオーエーは右半身に麻痺と言語障害もあり、すっか
       り駄々っ子のようになっていて、着替やおむつを替えを
       嫌がることが多々あるけれど、我が子にはされるがまま
       に安心している姿があった。


          
          寺にやってきた当時のオーエーとジアップ


寺で行われたオーエーの葬儀  

       この春には、長年寝たきりだったオーエーが亡くなられ
       た。葬儀にはジアップの学友が大勢参列し、お堂には人
       が入りきれないほど参列者であふれ、盛大なお別れとな
       った


       寺に関わったHIV孤児は、セカンドプロジェクトで寮
       生活を送りながら敷地内の学校に通いながら、トップの
       僧侶の啓蒙活動にも参加している。

       まだ小さかったジアップはテレビ番組に僧侶と出演した
       際【 大きくなったら何になりたい? 】と聞かれて、
       【 一生懸命勉強してお医者さんになりたい、お母さん
       を治してあげたい 】と答えていたことがとても印象深
       かった。


       本が大好きなジアップは、母が亡くなったあとも重症病
       棟にある本棚にふらっとやってくる。

       いつも控えめで健気な彼女は、一度も何かを欲しいとお
       ねだりすることはなかったのだが、クリスマスを次月に
       控えたこの頃、ジアップも年頃の女の子、何か欲しいも
       のはないのかな?と聞いてみると【 何もない 】とい
       うのだが、いつも立ち寄る本棚には、寄付された古い雑
       誌と仏教の本が並んでいる…しかも何度も読んだものば
       かり。
       【 本はどう? 】と聞くと【 いいの? 】と目を輝
       かせた。


       小さい頃から誰よりもこの世の現実を見てきたジアップ。
       何か希望や夢とまではいかなくても、やさしい気持ちに
       なるような本があるといいな。

       タイ語が読めない私は、読み書きができるお友達に頼る
       しかない!

       一緒に本を選ぶのを手伝ってもらえますか?というお願
       いに、快諾してくださいました
  
          タイ人のご主人がいらして、二人の女の子のお母さんで
       すが、バンコクでいくつもの活動に参加していらっしゃ
       います。


       タイ語のコーナーは今まであまり見たことがなかったけ
       れど、ちゃんと世界の名作が翻訳されているですね!
       そこで見つけたのは、ネバーエンディングストーリーと
       モモ。大草原の小さな家シリーズもあるんです。

       すごいなー、アマリンブックス!!ちょっと感動~!!
       私も小さな頃にドキドキ、わくわくしながら読んだあの
       本この本がタイ語でもあるだなんて、思わず手を取り合
       って喜んだ。
         


 ・本2冊 ・おやつセット ・水玉のシャツ
・手書きのメッセージをそえて♥

           

ジアップは照れながらも、お礼のメッセージと
自分の大好きなクッキーを持ってきてくれた。
          どうもありがとう♫







     ● 温水シャワー


       最初に寺を訪問した時から、これはやらなきゃ!と思っ
       ていたことのひとつが、この乾季の時期にようやく叶う
       こととなりました。

       それは…【 温水シャワー 】なのだけれど、私たち外
       国人にとっては必須アイテムのひとつ。
       ところが、タイ人では温水になじみのない人は多く、暑
       いときはもちろん、乾季のちょっと冷え込む時期でも水
       シャワーが当たり前という。

          ( ホットシャワー 2台 日立製 )


       からっかぜが吹いて毛糸の帽子やマフラーにお世話にな
       る寒期に、抵抗力が低い状態で水シャワーから風邪をひ
       いてしまい、高熱がひかずそのまま最期を迎える方も少
       なくないんです。

       かといって、シャワーをなまけて不衛生になると皮膚病
       など新たな症状を招き、更に辛い思いをすることになる。

       いままで温水シャワーをつけたいと申し出た外国のボラ
       ンティアチームもあったが、その度に電気代がかかると
       寺側から却下になっていた。

       ちょっと待ってくださいよ、本当にそれでいいんですか
       と言いたいが、寺側も特に何かの規定があるわけではな
       い。ちょっとしたタイミングで何とかなるのがタイであ
       る。様子を見ながらなんとかできるチャンスを伺うしか
       ない。

       今回はダメもとで提案したのに、あっさりと許可がおり
       て、すぐに取り付け工事にかかり、2時間後にはお湯が
       使えるようになった。


       しかし…多くの人が使ったことがないという。
      【 感電したりしないの? 】と、真剣に聞く人がいるん
       です。

       何人かの人に代表で使い方をレクチャーすることにした。
       その後数日間は使い方を教えて~!という数人やってき
       たが、問題なく定着しそうにみえた。


       そしてまた数日語、ある患者の足に大きな傷をみつけた。
       それが温水シャワーでできたものだと誰が思うだろう。
       初めて使ったその人は、寒いから温まるのにちょうどい
       いと足にかけていたという。それにしても、どうしたら
       皮膚がむけるまでになるんだろう。

       彼の足は麻痺で感じないので微妙に熱くてもわからなか
       ったという。普段から重度の麻痺があるのだから、温度
       に対しても弱いと認識があってもいいと思うが、温水を
       使った体験がなく予測がつかなかったのだろう。

       念のため温水シャワーの温度を確認してみると、最高に
       熱くなっている。誰かが使って戻していないようだ。

       今回は幸い大事に至る傷ではなかったが、こんなケース
       が続くのであれば【 温度に気をつけましょう!】とい
       うような但し書きをつけたほうがいいかもしれない。

       ものを運ぶのは簡単だけれど、ちゃんと使えるようにな
       るまでついていないとなかなか定着しづらいのです。







     ● 贈り物


       集団生活の中ではお金の管理は、本当に難しい。
       看護師がノートに記入し、銀行がわりに預かるシステム
       があるというのに、そんなの信用できないじゃない!と
       頑なに自分で管理する人もいる。その結果、訪問者から
       いただいた紙幣をおむつにしまい、おむつ替えのときに
       しめったお札でてきて笑ってしまったことがあった。

       管理能力の問題なのか、自分でどこかに置き忘れること
       も、どこかに落としてしまうことも、誰かにとられてし
       まうことも頻繁におきるんです。

       いつも身につけていると安心だという人には、とても便
       利な首からかける小物入れ。
       通りの露店でこのバッグをみつけたので、まとめて購入
       することにしました。


       ちょうどその時一緒にいたのは、バンビちゃん。
       日本の広島県福山市に占いのお店を持つバンビちゃんは、
       中国 上海とタイ バンコクでもタロット鑑定されている。

         
       【 そういうことなら私がプレゼントしたいなあ 】と
       いって寄付してくださることになりました。

       必要な方にお届けしますね、バンビちゃんどうもありが
       とう~♪


いくつもの場所をくるくる飛び回り、ものごとを切り開き
       前に進む後ろ姿にはまるで羽根がはえているよう♪
       ブログはこちら  http://www.p-bambi.com/blog/