● タイ 大洪水 2001
50年来ないといわれるタイの大洪水、去年は35年ぶ
りといっていたのだが…
北部のチエンマイ県から、チャオプラヤー川流域の支流
に存在するタイ中部のバンコクまで、58の県に浸水が及
び、【 流出した水量と、影響を受けた人数に関して最
悪の洪水 】であると言われている。 (WIKIPEDIA)
雨季の終わりのいつもやつだよ… といわれていたら、
だんだん様子が変わってきた。
ある時までは、バンコクのどこもかしこにも水はくる。
来るか来ないかではなく、水位が浅いか深いかだけの違
いだなんていう予測まで。
【 以下 photo by SIAM FLOOD 】
元国際空港
土嚢を積みコンクリートで塀を築いても
排水溝や壁から噴出してきて
外も家の中も同じ水の高さに
外も家の中も同じ水の高さに
手作り発明のオンパレード
2011.11.16
在タイ日本大使館より、バンコクは「渡航の延期をお勧
めします」から 区によって「渡航の是非を検討してくだ
さい」と「十分注意してください」に1、2ランクの引
き下げが発表された。
これは、チャオプラヤー川東側のバンコク北部パトムタ
ニー県の境界付近に築かれたビッグバッグ(巨大土嚢)
の堤防を数キロにわたって築いたことと、水門を開放し
ないことにより、バンコク中心部への浸水は治まり洪水
は終息したかのように思われたが…
要は、北側から海に流れようとする水からバンコク中央
を守るために北と東に振り分けたため、バンコク市街地
への浸水は免れているものの、ビッグバッグが効果を発
揮すればするほど市街地の北や東により多くの水が流れ
ていく。犠牲になる人も地域もあることをわかった上で
での苦渋の選択であったのだろう。
周辺住民と政府間のビッグバッグ撤去、
水門の開放を巡る抗争は更に深刻化。
水のあるところを棲家にする生き物
( ヒル、へび、とかげ、ワニなど )
生息地域を拡大。ペットが逃げ出した
パターンも多く、中には血清が手に入
らない種類のヘビも未だ逃走中。
水がひいたあとも、汚泥の清掃、
大量のごみの撤去、蚊や害虫の
駆除に追われる。
医療品、衛生用品の品不足も
深刻になりつつある。
(11/24現在)
★ バンコクで滞在しているアパート周辺は、全く浸水しな
かったものの、水道水に藻のニオイと色がついた。
シャワーをあびるとちょっと痒い。
飲料水は用意してあるものの、皮膚にでるとつらい~!
パバナプ寺のある地域は被災していないものの、途中の
道路が閉鎖され、鉄道、ミニバスも不通で軍隊のトラッ
クでないと移動できない。
ではでは、以前から気になっていたカンチャナブリー県
へひとまずおでかけ。そこでなんとも温泉のある素晴ら
しいお寺に出会い、水から逃れて水で癒されてることに。
その後、通常の3倍強かかる道のりでロッブリーへ。
カンチャナブリー→ バンコク → ロッブリーと半日以上
ぼこぼこ道を揺られて、頭痛とひどい車酔いに。
どこに行くにもバンコクを出るのと入るのが一苦労
ジョークでバンコク島と呼ぶ人も
1ヶ月半ぶりの寺は、シーンという音がするほど静かだ
った。
あれほど賑やかだった訪問客がぱったりと訪問が途絶え
食べ物でいっぱいだった病棟も、おやつかごがからっぽ。
患者の手元にあるお菓子も底をついたが、たまに倉庫か
ら配られるお菓子や一週間に一度アロンコット師が配る
60バーツがある。
そして、生活に必要なものが全て支給され、3食も用意
される。何よりも水を心配しなくてもいい環境で眠れる。
いままでは当然のものとして受け取っていたものが当た
り前ではなかった!家に帰りたいとじたばたしていた人
たちから、ここにいてよかったという言葉をきいた。
それもそのはず、患者の家族や友人も多数が被災した。
ロッブリーもまだまだ水がひかない地域があり、患者の
中にも家が1階の屋根まで水につかったうえに家を荒ら
された人もいる。
病棟横の売店には、売店の店主が持ち込んだテレビが設
置され、いつもどこかの洪水情報が流れている。
お寺の人々は直接洪水にはあっていないが、今回の洪水
の被害の大きさをひしひしと感じているようだった。
【 以下 photo by Wat Phrabatnamp 】
食堂では、近くの陸軍基地へ避難した
方々に毎日昼食用に800食の弁当の
炊き出し。できたてを寄付している。
他の持ち場のスタッフも手伝いにやっ
てくる。
通年の規模 程度でおさまった。
洪水後は、子供の家でもごみ拾いに大掃除。
みんなでお手伝い!
湿地帯!ここはパパイヤ農園なのに…
(上) アロンコット師も10月からは托鉢ツアー
には出ずに、洪水の非難所の慰問に出る。
寺の倉庫に備蓄してあった保存食、石鹸や
歯磨き、タオルなどの生活用品を支援物資
として寄付し、仏教の説法で被災者を見舞
うのだ。
(下) 多くの人が配布を待って、ごったがえす
非難所の広場。
今回の大洪水はどこまで被害が広がるのだろう。
いつになれば被災者が安心して眠れる夜を迎えられ
るのだろう。
2006年のクーデター、一連の赤シャツ騒動のデモな
どタイの一大事の際に人々を見て思った。
タイの人々はしなやかでたくましい!どんなに踏み
つけられても更に強く根をはり、上へ横へとのびる
野生の草のように生きていく。必ず笑える日がくる。
応援しています!