2012年8月10日金曜日

【 滞在記15 】 【 2011. 1.23 ~  2. 3 】




      ● 乾季の必需品




        この時期は最低気温が16~7℃で、湿度が低く
        高原の秋のような気候に加えて、前に進めない程
        の強風が吹く。
     
        少し気温が下がると【 冬が来た、寒い寒い! 】
        セーターに帽子にマフラーと毛糸が大活躍!
               【 photo by WatPhrabarnamp 】





     ● ノニーちゃんの寄付


        バンコクのインターナショナルスクールに通う7歳の
        ノニーちゃん。

        好奇心いっぱいでいろんなことに興味があるけれど、
        ちょっと恥ずかしがりやさん。体を動かすことが大好
        きで、お寺にいてもあちこち走り周ったり、お父さん
        に支えられて木に登ったり、少しもじっとしていない。


 
        学校のバザーで簡単に作れるタイ伝統菓子を提供して
        1000バーツほど集まったお金、どうしよう?
        すぐに浮かんだのが、パバナプ寺のこと。

       【 私とても幸せだと思うの。だってパパやママと一緒
         にいられなくなった子や、毎日薬を飲まなくちゃい
         けない子もいるでしょう。みんなが元気になります
         ように♪ 】 

        ノニーの気持ち届くといいね☆






     ● 得の積み方 いろいろ…?


       《 死体ちゃん 》と呼ばれる子がいた。

       色黒のガリガリに痩せた皮膚に無数のできものがあって
       鼻の穴のかさぶたが気になり、鼻に指をいれている。

       名前の 《 かえる 》と《 死体 》 と
       タイ語の音が似ているので、皮肉ってつけられたあだ名。

       マフィアのスのように幅をきかせている子が、携帯の音楽
       プレイヤーでテンポのいい音楽を流す。

       《 かえるちゃん! 》コールが起きると、ゴーゴーバー
       のダンサーだったかえるちゃんが、そろりそろりとベッド
       を降りる。広間のように見えるところで踊らされるのだ。

       【 みろよ、死体が踊ってる! 】みんな指差して大笑い。
       音楽が終わると、ちょっとしたチップを渡す人もいる。
       まるでいじめじゃないかと思った。


       踊り終わり、よろよろとベッドに戻ったところでお寺の人
       がいった。

       【 かえるちゃんが踊ったから、みんなが笑顔になったよ。
       タンブン(徳を積むこと)できてよかったね。 】

       【 うん、よかった!少しだけどチップも貰えるし… 】

       かえるちゃんは、別にいじめとは思っていないようだ。
       これをタンブンとよぶとは…



       * タンブンとは … 【 徳を積むこと 】
         日本ではあまり日常的には使わない言葉ですね。


         タイ人の暮らしに欠かせないタンブンとは、喜んで
         施し、恵むこと。
         仏教では肉体は滅んでも霊魂は永遠に消えず、再び
         生まれ変わる輪廻転生を深く信じている。

         僧侶でない一般の人々は、日夜タンブンに励み、
         「苦しいとき、つらいときはタンブンするに限る」
         という。

         ☆ 寄付をする
         ☆ 福徳をなす
         ☆ 善を行う
         ☆ 功徳を積む 

         それらの行為は、苦の原因である、私達の中にある
         執着を取り除き、物惜しみの心や思い上がりの心を
         捨てさせる助けになるという。
         そうして得た徳は、よりよい来世につながると信じ
         られている。


         タンブンが行われる主な行事としては、

         ○ 誕生日
         ○ 結婚
         ○ 葬式
         ○ 新築
         ○ 開業
         ○ 仏門にはいる時
         ○ 仏教で重要な日
         ○ 入安居、出安居
         ○ 新年

         そして、

         ○ 祖先や父母、親戚の故人に
         ○ 憎しみあっていたが、故人となった人に
         ○ 供養をする人がいない霊に
         ○ 先生や両親等の尊敬する人に
         ○ 現世や来世に自分が幸せになるように
         ○ 具合が悪いときに
         ○ 他人を喜ばせるために

         多少の個人差はあるとしても、まさにゆりかごから
         墓場まで!
         タンブンは、多岐にわたり人生のすみずみまでしみ
         わたっている。
             
        







     ● ワンデーワークショップ《 豆乳と揚げパン 》編


       もし、元気になって家に帰れたら…なるべく自分で自分
       のことができたらいいよね。
       どこかに就職するのが難しいのなら、手に職をつけてし
       まおう!

レシピと揚げパン専用の粉


         
          実際に街で手作り豆乳と揚げパンを売る方が、講師として
         やってきた。レック先生にとっても、タンブンとして有意
         義な機会。

         Q:【 豆乳は大豆だけじゃないんですか?】
         A:【 ピーナッツを加えるとコクがでる。店によって
            割合も違うし、シロップを加える店もあるの 】
 
        シンプルなものだけに経験によるコツや秘訣がモノをいう
        んです♪
   
         豆を水にひたし、ミキサーにかけたら火にかける

   
         豆乳の出来上がりを待つ間に揚げパンの生地づくり

  
           やわらかくてくっつきやすい生地をくっつかない
           ようにするにはコツがあるんだよ!


        この揚げパン、2本の生地が真ん中でくっついて
        いる。
        道端にある出店で、この揚げパンキーホルダーを
        よく目にするが、これは縁起モノでもある。
         一生涯を共に過ごすパートナー同士のことを、こ
         の揚げパンになぞらえて、こんな愛の告白も!
           
        【 パトンコーのようにずっと一緒にいようね! 】

         ティーンエイジャーも知ってるのかな?
         もうずいぶんと一昔前のいいまわしだと思うが…


アツアツ!できたてのほやほやをどうぞ~!
街では定番朝食メニューの豆乳と揚げパン。
このワークショップ以来、【 定番メニュー 】となった










    ● 新たな生命


        
          以前看護士のサポートをしていたヤー。
          だんなさんも共にお寺の従業員。
          お産ぎりぎりまで売店の売り子をしていた。

          男の子か女の子か、もうわかっているけれど、
          みんなには産まれるまで、内緒だよ~!って。

        ※ ヤーのうちの猫が一足先にお産をすませた。



       おめでとう♪
       かわいい女の子が無事に生まれてきた。
       死にゆく多くの魂の中で 新しい生命のきらめき☆