● 雨季のロッブリー
今年は例年よりも雨季入りが早かったという。
写真はスコールあとの帰り道。空気が澄んでいて
気持ちいい!
写真はスコールあとの帰り道。空気が澄んでいて
気持ちいい!
AIDS発症後、数え切れないほどの高熱、下痢、
嘔吐、激しい頭痛を乗り越えた後に、まるで体の
中のHIVと共存するかのように病状が落ち着く
ような時期がある。
命の山場をひとまず乗り越えたはものの、人によ
っては麻痺や硬直、視力の問題を抱えながら生き
ていく。
お寺では、食事は3食の他もおやつや飲み物は山
のようにあり、もし、着の身着のままで入所した
としても生活に最低限のものは支給される。
基本的なものは揃うけれど、ひとりひとりの状態
に必要な物資は十分にお金を持っており、かつ、
フットワークの軽い家族か友人がいなければ、手
に入れることは難しい。
☆ ブラジャー
寝たきりで入所したある女性は、下着を持って
いなかった。おむつ着用で虫の息だったので、
家族は何も持たせず着の身着のままでの入所だ
ったのだ。
今まではブラジャーがなくてもそう困ることは
なかったが、歩行訓練ができるようになったら、
胸のことが気になって恥ずかしいという。
左半身に硬直があり、左腕も震えが止まらない。
その手ではブラジャーのホックが止められない。
大人用のスポーツブラを探すが、サイズが見つ
からず3件目でようやく見つかる。
障害のある方々はどうしているのだろう?
専門のお店があったら見に行ってみたい。
やわらかくてすべらない、ぬれてもよくて通気性
のよいものがいい。麻痺があっても歩行時にもぬ
げないように丁度のサイズを選ぶようにする。
☆ めがね(老眼・近眼)
加齢も関係しているかとは思われますが、視力にも
大きな影響が及ぶ人が多いです。
まずは、いくつかのおおまかな度数のメガネをサン
プルとして用意し、それぞれのおおよその度数を把
握することにした。
もし度数があわなければ交換が可能ですよー!とい
うおばさんのお店で購入することに。
私物を管理しづらい人もいるため、紛失しないよう
にケースとストラップも用意してみた。
めがねを手に入れた人をみて、私も私も!!と、次
々と希望者がでてくる。
こんなに眼鏡を必要としている人がいたとは!!
市場へ3度足を運んで、15個の眼鏡を用意できま
した。
☆ じょうご
冷水機からペットボトルに水をくんできて!と、頼
まれることが多いけれど、注口が大きく、どうして
もこぼれてしまう。もったいないよねえ。
それに、水がこぼれていると床が滑って危ないんで
す。私をはじめ何人の人がコケたことか!
激しいいびきをかく人に~
効果はありそうだったのに、残念ながら本人管理
が難しく、いつの間にかどこかにいってしまった。
暑がりで袖があると、あせもができてしまう人に
☆ エアークッション
事故で、一部頭蓋骨がない人に
事故で、一部頭蓋骨がない人に
特定のものでないとアレルギー反応がでてしまう人に
☆ バッグ
盲目だが壁をつたってトイレやシャワーに行く人に。
ビニール袋にお風呂道具をいれて行き来していたが、
水がきれずに臭ってしまう。
風通しのよい網目のバッグを発見。
☆ 抱き枕 カバー
傷や痛みがあると、どの姿勢でいても寝づらいもの。
以前にも抱き枕を持っていったことがあるが、すぐ
に無くなってしまう。どこにいっちゃうんだろう?
おしっこがもれて枕もびちゃびちゃ。
洗濯に出したこともあるが、係りの人はできないと
言い、捨ててしまうのだそうだ。
そこで、カバーを買って中に毛布をつめてみること
にした。汚れたらバラして洗濯できる。これは大人
気だった。
市場でいくつも買う私に【 日本にはないの? 】
と、おばさんが不思議がる。
【 お寺のボランティアなんだけど、痛みで寝るのが
大変な人にあげるんです 】というと、
売り場のおばちゃんが【 よし、あたしもタイ人だ。
まけちゃうよ!あたしはそのお寺に行ったことない
けど一緒に徳をつもう! 】そう言って、大幅に値
引きしてくれた。ふとっぱら!
その話をすると、お寺の患者たちも嬉しそうだった。
みんな応援してるからね、元気になって!
20数カ国から、HIV/AIDSの研究に携わる大学
の教授、医師、日本からもJICA所属の方がお寺を訪
れた。ロイヤルファミリーの関係者がいると、いうこと
でVIP並みの歓待になった。
バンコクのマヒドン大学の教授がリードして、トップの
僧侶アロンコット師を迎えての質問の時間があり、私も
ボランティアの立場から感想を話すように頼まれた。
日本語でも説明するのが大変なのに、英語でだなんて!
メインであるトップの僧侶に対する質問では、アフリカ
の男性が質問に立った。
【 こんなウイルスだらけの人間だけあつめて、危険な
病を更に世の中にふりまこうというのか!空気に仕
切りはつくれはしないのに、そのへんの対策はどう
しているのか説明してほしい! 】
いきなりものすごい剣幕で詰問調で話す様子に、場病を更に世の中にふりまこうというのか!空気に仕
切りはつくれはしないのに、そのへんの対策はどう
しているのか説明してほしい! 】
はざわめいた。
司会の方の采配で場が収められ、重症病棟へと移動
すると、ここでも先程のアフリカの男性が言った。
【 ここが重症病棟だって?死にそうな患者はどこにい
るんだ! 】
この方の個人的なお話を聞くことができなかったの
が残念だが、何かの強い思いがあるように思った。
重症患者はどこにいるという感想はこの方に限らず、
医師や看護士の方からよく聞く言葉ではある。
が残念だが、何かの強い思いがあるように思った。
重症患者はどこにいるという感想はこの方に限らず、
医師や看護士の方からよく聞く言葉ではある。
そういうときに限って危篤状態の方が亡くなったば
かりだったり、人の目に触れづらいところに大きな
傷があったり、わかりづらい症状を抱える人が多い
時だったりする。
でも、危篤の人を目にしたら何かが変わるのだろう
か?
どこの悪くないように見える状態から急変、一週間後
に息をひきとる方もいる。予後がまったく予測がたたないという特徴を持った病
であるという認識のある医師でさえ、そんな感想を持
つのだ。
共同体の働きが強化された頃から、HIV陽性者が受
け持つ仕事もより責任ある仕事を任されるようになっ
たり、お寺のスタッフも朝8時からの寺院内の掃き掃
除に加わり、共同作業の場が増えている。
同じ場所に暮らすには、お互いが歩み寄り、協力し合
うことが必要になる。
☆ オフィスにて
ガイとトゥックが対外的な事務処理や電話対応を
担当しています。
ガイとトゥックが対外的な事務処理や電話対応を
担当しています。
☆ 患者、寺の職員用の食事を調理する厨房にて
高熱と頭痛に悩まされ通しだったエーも、症状が落
ち着いた今は調理のお手伝いをしています。