2012年8月10日金曜日

【 滞在記16 】 【 2011. 2.19 ~  3.13 】 



    ● ツーリングサークル の チャリティーオークション


            ボンボンバリバリ、朝からお寺にエンジン音が響き
          渡る。週末や祝日、仏教の日には特に多くの訪問客
          がやってくるが、今日は何があるんだろう?
    
         バンコクを拠点にするバイク愛好家のグループが
         寄付ツアーに訪れた。
         やきそば、カレー麺、チャーハン、飲み物やアイ
         スなどデザートの差し入れも盛りだくさん!


         行列の長さが、人気のバロメーター!
         クイッティアオというタイラーメンの一人勝ち☆
            
    
        メンバーがそれぞれ持ち寄ったバイクのパーツを集め、
        オークションの収益を寄付しようというイベント。

        こちらの団体は、毎年一回チャリティーイベントを開催
        しているそうだが、パバナプ寺でのチャリティーは初め
        てとのこと。
        メンバーのほとんどがタイ人だが、バンコク在住の欧米
        人もやってきた。

       【 イベントには参加するけど、正直、病棟には足が向か
         ないかな。まだ僕には準備ができていないのかもしれ
         ないね。 】 という。

        それでもこれを機会に興味を持つようになるのかもしれ
        ません。きっかけって大事!


バンコク在住のベンさん







     ● 職業研修システム

        タイには学生の職業研修システムがあり、在学中に企業
        や団体に滞在し、仕事の手伝いをする。
        研修期間は学校により様々。数日のみの滞在もあるが、
        たいていは数ヶ月から1年ほど。

        研修終了後に企業からの評価をもらえれば、卒業が認め
        られる。
        特に医学や看護などの分野に限らず、この研修のために
        高校生、専門学生、大学生がお寺にも研修にやってくる。


         

☆タイ伝統舞踊 芸術系の専門学生ジーン と ウワン


☆ムックとサラは、オフィスと売店のお手伝い


☆プロジェクト2の学校に通う レック と モモ
 コンピューター関連や映像について学んでいる。
 週末に、数十人の仲間たちとお寺にやってきて、
 行事の準備やオフィスの作業など即戦力となる。
          

お手伝いの合間にも、紐をあんでブレスレット作り。
        こうして作られたブレスレットは、寄付にきた方々
        への記念品として配られる。

       ☆タイ伝統舞踊専門学校生の乙女ちゃん テープとイット
        研修の最終日には、伝統舞踊をおひろめ。
        患者さんの励ましになればいいなあ♪ いきいきと踊り
        を披露する姿は、なんともパワフルで美しかった!
        感動の涙、ありがとう!





      ● 嬉しい贈り物


       抵抗力の低下が命とりにもなりうるため、ストレス
       との付き合い方も大事なポイント!

       一日中病棟で過ごす人々にとって適度な娯楽と気分
       転換は、治療の一部でもある。
       お寺の修繕担当さん手作りのチェス盤。
      
       目下、アナン と サヤン のお気に入り。
       時間があれば対戦を楽しんでいる。






      ● 社会とのつながり


       望むと望まざるに関わらず、家族や友人と疎遠になり、
       結果的に、社会で居場所がなくなってしまうこともある
       HIV陽性者。
       それは、寺にいても家にいても起こりうる。

       周囲が陽性者を避けることもあるが、同様に、陽性者側
       からも、それまであった人間関係を遠ざけがちにもなる。
       忌み嫌われ差別の対象になる病気にかかってしまった事
       を、誰よりも本人が知っている。

       中には、友人どころか、親や兄弟にさえ知らせずにいる
       人も多い。症状による苦しみを上回る、人間関係によっ
       て受けた傷跡がなまなましい。



       さて、タイでは、仏教は同じ上座部仏教、同じ宗派でも
       寺院によって様々な特色がある。
       特色は異なれど、寺院は社会の中で生きづらく、繋がり
       を持てなくなってしまった者の救済と、社会と再び繋ぐ
       という役割を担っており、特に近年では慈善運動や地域
       の開発など、以前の様に宗教的な行為だけでなく社会的
       な運動に力を入れる傾向が強くなってきている。
   
☆タムクラボーク寺 薬物中毒依存症治療 風景



         ロッブリー県のパバナプ寺は、HIV陽性者救済で有名
         だが、サラブリー県タムクラボーク寺は、モン族難民の
         受け入れや薬物中毒依存症の治療を専門としている。
         タイ国内だけでなく世界中から国籍性別を問わずやって
         くる様々な依存症に苦しむ人々を随時受け付けている。
         ( 興味のある方は、こちらをどうぞ )
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         さて、社会から切り離されてしまったHIV陽性者は、
         寺に滞在しているうちに、寄付や社会見学にやってくる
         信者、学生、会社員、軍人、メディア関係、有名芸能人、
         海外からも研究者や医師や看護士、ボランティアの人々
         などと関わることになり、同じ病気をかかえる患者さん、
         お寺のスタッフ、僧侶と共に暮らすのだ。

         自然と新しい関係性がうまれ、家にいたら出会えなかっ
         た人々に出会い、同じ時間を過ごすことになる。