● アリ
病棟でどうしてアリ?と思われるかもしれないけれど、タイ
では日本と違って食べ物に群がるだけでなく、人も噛むのだ。
これが病棟のベッドにもあがってくる。
1mmほどの大きさだが、微量ながら毒もあって噛まれると
痛みやかゆみ、みるみる間に熱をもち、水ぶくれになること
もある。一度出没すると、何をしても退治することが難しい。
基本的には多くの人が、ベッドの上に生活のすべてがあると
いってもいい。食事も当然ベッドの上になる。
シーツは毎朝替えるのだが、ちょっとでも食べこぼしがある
と、すぐにやってくる。1匹、2匹と姿がみえると…次から
次へと列がつながっている。
起き上がることができれば、アリを払うことができるのだが、
寝たきりの状態ではただただ噛まれ続けることになる。写真はあまりはっきりとうつっていないけれど、無数の噛ま
れたあとが、かさぶたになってしまっている。
タイの人は、アリが出没するとタルカムパウダーをまいて足
場を奪ったり、アルコールを吹き付けて撃退しているが、そ
の部分にいるアリには効果があるが、5分もするとまた他の
アリでいっぱいになる。
ベッドの足にもパウダーをまいてみた。もっと強化するため
にパウダーを容器にいれてもみたが、なんと、ベッド自体に
巣をつくっていることもあるだなんて!
ベッドを外にだして洗浄、駆除したらアリとの戦いは終わる?
それでも食べ残しがあれば、また同じことの繰り返しになる
だろう。
ひとまず、いまいるアリだけでも【アリの巣コロリ】を試して
みよう。
● 歩くまえのもうワンステップ…
糖尿病によって両足の膝から下を切断したガイソン。歩きたい!
との思いが強く、義足をつくった。最初に切断した足のためにつ
くった義足も合わなくなっていたからと作り直しもした。
ようやく完成してからも皮膚に触れる部分の微調整のため、バン
コクまで何度も通った。
義足に触れる皮膚を守るために厚手のストッキングや布のバンテ
ージがいるということで、ちょうど日本に帰ったときに購入して
きたこともあった。
ようやく現状にぴったりのものができた!これで思う存分歩く練
習ができる♪と意気込んでいたのに…体重が重くなりすぎて負担
が大きくて歩くどころではなくなってしまった(^_^.)
歩くまえに、まずはダイエット!で、ぽんぽこりんのおなかを何
とかしなくては!!
● ロッブリー名物
ロッブリー県といえば、猿が有名。鉄道の駅前には、猿に餌を
やるうちにのっとられてしまった寺がある。えさ場をつくって
日に2度たっぷりとえさをあげているが、猿はそれでは足りず、
近くを歩く人々を襲う。その区域はどんどん拡大されて遺跡を
含め、街全体にに被害が及んでおり、建物自体を鉄格子で保護
しているが、この鉄格子をジャングルジムのようにしてのぼっ
て、昼も夜もなく、全体重をかけて揺らしているのだからたま
らない。
一番被害が大きい地域であるロッブリー駅近辺の市内からパバ
ナプ寺はだいたい車で20分ほど離れていて、もともと寺の中
には猿はいなかった。山には住んでいたのかもしれないが、人
のいる領域には姿をあらわさなかった。それがいまでは、病棟
の裏手の倉庫部分にまでやってくるようになってしまった。人
が近づくと一定の距離を保つように逃げていくので、まだ人を
襲うことはない。
こんな風に今まであらわれなかった場所にも来るようになって
しまったのには、やはりきっかけがある。豆乳のパックを猿に
あげてしまったのだそうだ。味を知ってしまった猿は、数匹の
仲間をつれて同じ場所にやってくる。その様子で安心したのか、
寺の中の他の場所でももちらほら姿をみるようになった。確実
に棲息地域は広がっている。
重症病棟の倉庫に積んであるものが猿に荒されるようになった。
そこに食べ物はおいていないので、怒ってそこにあるものを探し
まわり、ものがはいっていそうな袋がひきちぎられてる。
山に十分な食べ物がないのだろうか?人間の食べ物を与えてしま
ったことで、もうこれから悪に乗っ取られてしまった街のように
日々猿用にえさ場をつくり、観光地になってしまうのだろうか?