2014年4月25日金曜日

【 滞在記38 】 【2014. 3.09 ~ 3.10 】






        ● アリ 

        病棟でどうしてアリ?と思われるかもしれないけれど、タイ
        では日本と違って食べ物に群がるだけでなく、人も噛むのだ。
        これが病棟のベッドにもあがってくる。
        1mmほどの大きさだが、微量ながら毒もあって噛まれると
        痛みやかゆみ、みるみる間に熱をもち、水ぶくれになること
        もある。一度出没すると、何をしても退治することが難しい。
       
        基本的には多くの人が、ベッドの上に生活のすべてがあると
        いってもいい。食事も当然ベッドの上になる。
        シーツは毎朝替えるのだが、ちょっとでも食べこぼしがある
        と、すぐにやってくる。1匹、2匹と姿がみえると…次から
        次へと列がつながっている。

        


 
        起き上がることができれば、アリを払うことができるのだが、
        寝たきりの状態ではただただ噛まれ続けることになる。
        写真はあまりはっきりとうつっていないけれど、無数の噛ま
        れたあとが、かさぶたになってしまっている。

        タイの人は、アリが出没するとタルカムパウダーをまいて足
        場を奪ったり、アルコールを吹き付けて撃退しているが、そ
        の部分にいるアリには効果があるが、5分もするとまた他の
        アリでいっぱいになる。

        ベッドの足にもパウダーをまいてみた。もっと強化するため
        にパウダーを容器にいれてもみたが、なんと、ベッド自体に
        巣をつくっていることもあるだなんて!
 
    

   
        ベッドを外にだして洗浄、駆除したらアリとの戦いは終わる?
        それでも食べ残しがあれば、また同じことの繰り返しになる
        だろう。
        ひとまず、いまいるアリだけでも【アリの巣コロリ】を試して
        みよう。






        ● 歩くまえのもうワンステップ… 

        糖尿病によって両足の膝から下を切断したガイソン。歩きたい!
        との思いが強く、義足をつくった。最初に切断した足のためにつ
        くった義足も合わなくなっていたからと作り直しもした。
        ようやく完成してからも皮膚に触れる部分の微調整のため、バン
        コクまで何度も通った。

        義足に触れる皮膚を守るために厚手のストッキングや布のバンテ
        ージがいるということで、ちょうど日本に帰ったときに購入して
        きたこともあった。

        ようやく現状にぴったりのものができた!これで思う存分歩く練
        習ができる♪と意気込んでいたのに…体重が重くなりすぎて負担
        が大きくて歩くどころではなくなってしまった(^_^.)
        歩くまえに、まずはダイエット!で、ぽんぽこりんのおなかを何
        とかしなくては!!









        ● ロッブリー名物 


        ロッブリー県といえば、猿が有名。鉄道の駅前には、猿に餌を
        やるうちにのっとられてしまった寺がある。えさ場をつくって
        日に2度たっぷりとえさをあげているが、猿はそれでは足りず、
        近くを歩く人々を襲う。その区域はどんどん拡大されて遺跡を
        含め、街全体にに被害が及んでおり、建物自体を鉄格子で保護
        しているが、この鉄格子をジャングルジムのようにしてのぼっ
        て、昼も夜もなく、全体重をかけて揺らしているのだからたま
        らない。

        一番被害が大きい地域であるロッブリー駅近辺の市内からパバ
        ナプ寺はだいたい車で20分ほど離れていて、もともと寺の中
        には猿はいなかった。山には住んでいたのかもしれないが、人
        のいる領域には姿をあらわさなかった。それがいまでは、病棟
        の裏手の倉庫部分にまでやってくるようになってしまった。人
        が近づくと一定の距離を保つように逃げていくので、まだ人を
        襲うことはない。

        こんな風に今まであらわれなかった場所にも来るようになって
        しまったのには、やはりきっかけがある。豆乳のパックを猿に
        あげてしまったのだそうだ。味を知ってしまった猿は、数匹の
        仲間をつれて同じ場所にやってくる。その様子で安心したのか、
        寺の中の他の場所でももちらほら姿をみるようになった。確実
        に棲息地域は広がっている。





        重症病棟の倉庫に積んであるものが猿に荒されるようになった。
        そこに食べ物はおいていないので、怒ってそこにあるものを探し
        まわり、ものがはいっていそうな袋がひきちぎられてる。
        山に十分な食べ物がないのだろうか?人間の食べ物を与えてしま
        ったことで、もうこれから悪に乗っ取られてしまった街のように
        日々猿用にえさ場をつくり、観光地になってしまうのだろうか?